超・妄想コンテスト応募作品 400字バージョン

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A「推理小説、読む?」 B「え?」 A「電車来ないし」 B「ええと、本、貸してくれるの?」 A「注文殺到の話題作だから面白いって、司書の先生言ってた」  旅行先、知らない田舎町での突然の雨。 B「傘、ありがとう、助かったよ。何読んでるの?恋愛小説?」 A「ううん、お料理の本」 B「好きなんだ、料理」 A「うん。自分のお店を開くのがね、夢」 B「そう、素敵だね」  列車の来る気配はない。なので利用客もいない。  でも夢中になって本を読んでいる少女に、色々話しかけるのははばかられた。 A「推理小説、読む?」 B「大学では漫画ばかり読んでるからなあ」 A「漫画より小説の方が良い。より頭が活性化しておいしくなる」  ゆらりと少女は立ち上がり、俺は眩暈に襲われる。  道に迷った時、辺りに電柱は立っていたか。  本当にここは駅だったか。 A「だから読書は大事。ここは注文の多い料理店」
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