0人が本棚に入れています
本棚に追加
俺「ありがとう。でもどちらかというとマンガの方が…。そういえば大学ではマンガばかり読んでるしなあ」
少女「マンガより小説の方が良い。より頭が活性化して美味しくなる」
ゆらりと少女が立ち上がり、俺はくらりと眩暈する。
ぶれた視界の中、少女の顔だけが大きくなる。
ああ、この子の唇、こんなに赤かったっけ。
道に迷って駅舎に駆け込んだ時、辺りに電柱は立っていたか。
ひどい雨は待合室に入った途端止まなかったか。
少女は「電車は来ないよ」と言った。
そもそも本当にここは駅なのか。
少女「マンガじゃなくて、もし童話を読んでいたら見抜けたかな。だから小説にしなさいって言ったのに…」
意識の底で少女の、いや、人ならざる者の気配がする。
少女「さあ、店を開けましょう。ここは注文の多い料理店」
最初のコメントを投稿しよう!