第13話  魔術の威力

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こんな時に冗談はやめろよな。 ーーん、待てよ? 「お前、もしかしてWeb検索出来るのか? 外の世界のサイトが見れるのか?」 「いえす、おふこーす」 「じゃあ異世界化について知ったのも?」 「ネットサーフィンの賜物ですね。日本地図だの、お役立ちサイトとかで勉強しました」 シレッと言うが、これって凄いことじゃないか? 鉄壁だと思われた魔術の壁を突破しやがったぞ。 「じゃあ、私たちの行動が筒抜けだったのは? それも魔術なの?」 「そうですね。これっくらいの大きさの……うん。魔術です」 今何で言い澱(よど)んだんだ? つうか、それくらいの大きさで、話が筒抜けになるようなものって……。 盗聴機じゃねぇか! 「お前、いつからだ。何の目的で仕掛けた!?」 「虫さんがここに現れてからです。アヤメちゃんに危険があれば、すぐにでも駆けつけようと」 「そんな言い訳が通るなら大抵の盗聴犯は許されるわなぁ。んで、他にも目的があんだろ?」 「そんなものは有りません。ちょっとくらい寝息が聞ければなんて、微塵も思ってません」 おし、自白したな。 逮捕してやるよオラ。 人の事を散々悪い虫扱いしやがって、お前も大概じゃねえか。 「まぁ、そんな話は些事ですよ」 「はぐらかすんじゃねえ」     
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