第13話  魔術の威力

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引き返すつもりは無いが、少し考えが足りなかったかもしれない。 「次はぁー終点、トリデです」 「そろそろ着く……のよね」 「そうですね。もう片付けましょうか」 好き放題に散らかしたお菓子の袋やらをしまい始めた。 緊張を和らげるためにも何か貰えば良かったな。 空いた袋を丸めつつ、少しだけ後悔した。 「終点ー、トリデです。これ以上はご乗車いただけません」 無抑揚なアナウンスを聞きつつ、電車から降りた。 他の乗客も全員が降りたようだ。 皆当然のように、ここが終点であることを受け入れている。 この先にも世界が広がっていることを知らないようだ。 「じゃあ、行くか!」 「そうね。行ってみましょう」 オレたちは改札を勇み足で通りすぎた。 イバラキの県境を越えられると信じて。
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