1章

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「そうだよな。たいてい歴史好きなやつが入ってくるよな。文学部入ったらよかったのに」 「就職のこと考えると経営のほうがいいかなぁって」 「それは一理ある」 話しているうちにいつの間にか緑がやけにある道を歩いていた。 「きっとあれが古墳なんだろうな」 「そうだね。でも、森にしか見えなくない?」 「確かに」 私含めてみんなが歩き続けてうんざりしている中で教授だけが楽しそうに歩いている。私は少し歩くスピードを上げて教授の横に並んだ。 「先生、なんでそんなに楽しそうなんですか?」 「だって楽しくないか?ここで1500年ぐらい前の科学が発達していなかった時代に大勢の人が人力でこれを作ったんだぞ。ロマンがあるじゃないか」 そういわれて再び、水の上に浮いている島のように見える古墳を見る。 「私には古墳というより、ただ単なる島に見えます。古墳をもしみるのであれば、大仙古墳のほうがよかったんじゃないですか?こことそこまで距離も離れていませんし」 教授はその言葉は聞き、笑った。 「毎回いるんだよ。それ言うやつ。確かに知名度で言えばあっちのほうが上かもしれないが、古墳を見るって考えたときにあっちよりもこっちのほうが分かりやすいだろう?」 「あっちはデカすぎてわかりにくいってことですか?」     
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