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「そうそう。こっちのほうが興味がなくてもあの島が古墳っていうことぐらいわかるだろう?確かに大仙古墳のほうがインパクトはあるんだがなぁ」
「うーん、そうなんですか?」
「そうそう。面白くするコツは想像力を働かせることだ」
教授は自分の頭を人差し指でトントン叩きながら言う。
「想像力」
「そうだ。だって、歴史なんてすべてとっくの昔に過ぎ去ってしまったものだろう?建物や物の痕跡はあってもそれを作った人たちはもういない。だからこそ働かせるんだよ。想像力を。それを作った人たちやそれを書いている人たちが考えていたことやそこでの人の触れ合いを」
「なかなか難しいですね」
「そこはやっているうちになれるよ。さて、」
教授が後ろを振り返る。みんなどことなく疲れた表情をしている。
「もうそろそろ休憩するか」
そういって教授は手に持っていた大きなカバンからお弁当を取り出した。
「あそこのベンチで休憩するぞー」
教授が大きな声で皆に呼びかけると、皆は顔を上げ、ベンチのほうへ先ほどよりもしっかりとした足取りで歩き始めた。
「ちゃんと詰めて座れよー。入らないから」
教授は座った生徒に呼びかけながら、お弁当とお茶を渡していく。そのお弁当は結構大きい。
「全部完食できるかなぁ」
隣にいる秋ちゃんが不安そうにつぶやく。
「確かに。食べきれるかなぁ」
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