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ある雨の日の放課後、図書室にて
わたしは本が好きだ。
ノーブックノーライフ。この為だけに生きている。読書万歳。本は俺の嫁。いかなる言葉を並べたところで、この想いを言い表すことはできない。
そして、そんな本が詰まった図書室は、わたしにとっての宝島であり、オアシスであり、秘密基地であり、聖域であり、最早、天国とさえ言えよう。
私語厳禁で張りつめた空気も、鼻腔をくすぐるインクや紙の匂いも、煩わしい人付き合いから解放される解放感も、何もかもが好きだ。
特にうちの高校――空高(そらたか)学園の図書室は特別だ。何故なら、新館と旧館、合わせて二つもある。一つは十年前に完成した新図書室で、見た目もシンプルだし綺麗。しかも、純文学からライトノベル、学術書、雑誌、漫画から児童書まで、幅広く取り揃えられている。
対して、旧図書室は築七十年以上は経つ古い建物で、新校舎の隣にある旧校舎を抜け、更に奥にある。軽く計算しても、二年〇組の教室を出てから十分近く歩かなければならない。取り扱っている本も古書ばかりだし、中には旧字で綴られた本だって見かけたことがある。
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