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自分はそういいながら紙を一枚一枚丁寧に拾い上げる 「ピアノの曲っていろいろ聴くんですか?」 「はい、でもあんまり詳しくないですよ」 「私!一度友達と曲について語りたかったんです!一緒に話してくれませんか!?」 その瞬間あまりの押しで少し後ろに身を引いてしまった 「でも、僕、音痴ですし、楽器とかやってないですし、どうせ何も出てこない人間ですよ・・」 すると、女の子が少し顔を歪ませた 「そう、思ってるからだめなんですよ、楽器ていうのは練習すれば誰でもできます!みんな最初はゼロからのスタートなんです!そのスタートが少し遅れてるくらいで自分を悪く比喩しないでください!」 「ちょっと待っててください!、今職員室行ってすぐ楽譜置いてくるんで!」 そういって女の子は廊下を走り角を曲がっていった そして気づく自分は結構押しに弱いタイプだと 教室のドアの前で数分立ち尽くしているとおくからばたばたと走る音が聞こえた 遠くから見てみると女の子が全力疾走でこちらに向かってきた 「はぁはぁ・・あの・・な・・名前言ってなかったですね、私 木村 雨魅って言います!18才です!」 「あ、自分は冬宮 春樹って言います、18です、よろしくお願いします」 「あ、同い年だったんだ!さ!立ち話もあれだし!教室に入ろう!」 「あ、うん」 雨魅は自分の席課と思うぐらい躊躇なく座った そして隣の席に座ろうとすると一言「立ってて」と言われた これから何が始まるのかと思うと、少し緊張してきた 「とりあえず、ドレミファソって言ってみて」 「え?なんで?」 「いいから!言ってみて!」 「う、うん・・ドレミ・・」 「違う!音階ごとに声を合わせて」 「ドーレーミーファーソーラーシードー」 「もっと高い声出る?」 「一応出るけどあんまり高くは出ないと思う」 「一回やってみて」 「ドーレーミー・・もう出ない・・」 「うん!十分!明日カラオケで歌の練習ね!その音域なら練習して結構出るようになるよ!、声質的にも私結構すきだし」 「え!でも、音痴だし・・」 「歌えばうまくなるから!明日!学校終わり駅前に集合!早く来てね!」
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