プロローグ

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私は一瞬、何の話か分からず、キョトンとした。  キョトンとした後、彼の言わんとしている事を悟り、思い切り首を横に振った。 「えっ!ええっ!? 今、その話!? ・・・い、嫌よ、冗談じゃないからね!」 巧はますます凶悪な顔になる。彼は元々180センチ近くある長身だけど、何か、それ以上 今彼がとてつもなく大きく見えるのは目の錯覚だろうか。 「そんな事言っていいのか、真琴? 学校のクラブ活動なんて入ったとしてもたかが数年。でも親父はどうかなー。この本大事にしてたから。落ち込むだろうなあ。たった数年で立ち直るかなあ。いや、それどころか、一生許してくれないんじゃないかなー」 ぐっ。それを言われると・・・ 「真琴はうちに入部するだけで、親父の信頼を保ち、俺への義理も果たせるんだ。入部しないのとどっちが得かは一目瞭然じゃないのか?」 う、うううう。 ___そうして私は、始業のチャイムが鳴った時には、例の部へ強制入部させられていた。ひらひらと手を振りながら去っていく巧の後姿を、呆然と見送りながら。 今日ってやっぱりツイてない____。 と言うか、現国の教科書借りれなかった___。 去り際に巧が得意げに放った言葉がまだ耳に残っている。 「ようこそ、わがリーディング部へ」
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