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14時から、僕と入れ替わりでシフトを組んでいるのは、同じ寮に住んでいる同級生の高野だ。高野は公認8カップルの内のひとり。同じ建物に住んでいても、交際相手のヤキモチが激しいので挨拶程度しかしたことがない。
引き継ぎの際、高野がため息をつく。
「はあーーぁ。俺たちもお前らみたいに落ち着いた付き合い方をしたいよ」
「……喧嘩でもした?」
「喧嘩じゃないんだ。反省してんの。ついついはしゃいで張り切りすぎちゃうんだよね。俺はいいけどアイツが可哀想で。だから反省してんの。今」
ふうん。男男交際に関しては、僕に言われてもさっぱり解らないや。
「理想のカップルみたいに引き合いに出されてもな。僕と綿貫は付き合ってもいないよ?」
気のせいかな、高野が顔をしかめた。
「ウソこけ。カップル第1号じゃねえか」
は?
「4月の連休、ラブラブで旅行に行ったんだろ? 堂々してろよな!」
……はい?
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