星くずの海を

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「どうやって動かすの?」 「これを引っ張って起動するんだと思う。  造りは違っても、中の要素は同じはず」 「ハンドルがないけど」 「うん。  足で掴まってるだけだ。  バズーカを撃つのに手は開けなきゃだから。  体重移動で操縦するのかな」 「へえ」 触ってみる。 金属の。 冷たい感触。 さっきまで乗ってきたのと同じ。 同じだ。 そう。 自分に言い聞かせて。 「乗ってみたい?」 ギョッとした顔で見られた。 「まさか。  怒られるだけじゃ済まない」 「だよね」 とんと肩に手を置く。 いい子だ。 きっと大丈夫。 「ごめん……」 思いっきり。 突き飛ばした。 「うわっ…」 不意を突かれて。 よろめいたすきに。 乗ってきた鉄の鳥に飛び乗る。 「ナギ!何する気?!」 立ち上がろうとした弟の上を。 ぎゅんとかすめて飛ぶ。 「待って!」 「待たない!」 叫び返す。
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