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しばらくして、なんとか落ち着きを取り戻した侑李。
すると…
「もしもーし。今病院。さっき様子見てきた。」
誰かが電話をしているようだ。
しかしこの時侑李は思った。
侑李は入口の近くにいたはず。
誰か入ってくるなら気づくはず。
でも誰か入ってきた気配もなかった。
それに、来たときには本当に誰もいなかった。
不思議に思った侑李は声に耳を傾ける。
「うん、明らかに悪化しとる。顔色むっちゃ悪い。こりゃ時間の問題やの。」
独特な喋り口調だが声は若い人のようだ。
「お見舞いにきた人の調子が悪くて知人に電話してるのかな?」
侑李はそう思い、気になるがこれ以上聞くのは気まずいので下に降りようとした。しかし…
「たくさんの管に繋がれて、呼吸器もはめられてかわいそうやったが。」
この言葉を聞いた瞬間、侑李は足を止めた。
電話の人の話に出てきた人はひなの今の状態と全く同じ。
まさかひなの知り合いか?と思ったがひなは面会謝絶のため人は入れないはず。
侑李は再び声のする方に耳を傾ける。
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