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その後、ひなのお母さんから全て聞いた。
生まれつき心臓が弱かったこと。
20歳まで生きられないと言われたこと。
長期の休みの際、付き合いが悪かったのは入院、通院により治療に専念してちゃんと学校に通えるようにという本人の願いだったこと。
だが中学卒業直後から軽い発作が出るようになったこと。
1週間前から発作の頻度が増えたが本人が入院をこばみ、自宅療養してたこと。
今朝ひどい発作を起こして今に至ること。
そして…
ひなは、全てを理解し受け入れていること。
私はショックだった。
そして私はひなに駆け寄り言う。
「ひな、なんで黙ってたのさ!どうして嘘ついたの!?」
私はひなの手を握りしめ、涙をこらえながらひなを見つめる。
「ごめんね侑李ちゃん。ひなから黙っとくようきつく言われてたの。身体のことで昔からよく心配かけてたから…侑李ちゃんに最期くらい心配かけたくないって」
ひなのお母さんからひなの思い、心遣いを聞いた侑李は立ち上がり、会釈したのち病室を出て屋上へ向かった。
屋上に行くと小雨がまだ降っていたので誰もいなかった。
侑李は大きな声で泣いた。
そしてこの後、運命を変えるかもしれない出会いをする。
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