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紅茶
18歳になったケッテは、流暢に言葉を話せるようになった。
始めに彼、冥王の名前を呼びたいと思っていたのだが、彼は自分のことを『Hades』としか言わなかった。
『ハデス』はいわば、“苗字”のようなものだと聞いた。
ケッテはどことなく不満を覚えたが、ハデスは彼女の感情に彩が出たことを喜んでいるようだった。
「ハデス、お茶をお持ちしました」
「ありがとう、ケッテ。……いい香りだね」
「先日お越しになられたお客様から戴いた紅茶です。ミルクは?」
「ひとつ」
「どうぞ」
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