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「君は……また“生け贄”かな」
男が口を開く。
少女はそれに応えない。
「毎度毎度、よく飽きないものだよ。村の不幸は、自分達の所為だろうに」
チラリ
男は少女の方を見て、ゆっくりと語り始めた。
「……君、言葉はわかる?」
相変わらず、少女からの返事はない。
それでも男は続けた。
「君らが数百年ごとに俺に送ってくる“生け贄”だけどね。俺はあんなもの要らないんだ」
衝撃の告白だった。
それでも少女は応えない。
「しかも今年は女性と来た。あ、女の子か。どちらにせよ、これじゃ下働きはさせられないな……」
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