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「ここが学校じゃ」
私はぐるりと見回した。
「校舎やグラウンドはどこにあるの?」
はは、とギルディアは自慢げに笑った。
「そんなちっぽけな物ないわい。そうさの、しいて言えばこの土地全てが学校のグラウンドじゃ 」
ええ!? この小島一つ丸ごと!?
私は息を呑んだ。
改めて周りを見た。眺めの良い丘、せせらぐ小川、遠くに美しい湖やお花畑も見える。近くに手作りらしい畑があった。巨大な木の下には切り株がたくさん並んでいる。きっとそこで授業をするのだろう。木を使った遊具もあちこちに見える。
ギルディアは続けた。
「子供達には生き抜く術が必要じゃ。豊かな自然が満載のこの自然の学校で学業もするが、それ以上にここで農作業・林業・漁業の手伝いをさせたり、自然の中で思い切り遊ばせ、自然と共存し、そこから学ぶ大切さを教えている」
「いいなあ! こんな学校! あっ、向こうの木の枝にブランコがついてる!! 僕あんなブランコに乗るの夢だったんだよ、乗っていいよね! 」
すっかりうれしい気分になっていた私は走って行ってブランコに乗り、大きくこぎだした。天まで届くような巨大な木につけられたブランコ。ロープの長さは十メーターはあるんじゃないだろうか。
「高いからすごく気持ちいい! 」
「マコト、わたくしも乗せてくださいな! ほら、セドリックも本当は興味あるんでしょう? 」
「ぼっ、僕は別に! こら、腕を引っ張るなよ! 」
バド、アレクセイ、ギルディアがのんびり歩きながら近寄ってくる。
「王よ、まるで子供のようじゃな・・・しかし、そんなに素直に喜ばれると悪い気はせんな」
ギルディアは私に子供時代の事を質問し、私が野山や川で遊びまわっていた事を知ると、機嫌を大いに良くしたようだった。
「そう。子供は自然と充分に触れ合わねば。勉強ばかりで自然に接する機会がないと体も性格も偏った持ち主になるて。王は白の国の奴らを知っておるか?」
「いや、実はこれから行こうと思ってるんだけど」
「ふん。頭の硬い奴らは会うだけ無駄じゃ。特に王であるクレイはかなりじゃぞ。あんななまっちろくて何かあったら他人はおろか自分も助けられんて」
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