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部活動は別だったけれど、休みの日も時間を見つけては電話したりLINEしたり、ウインドウショッピングや遊びにも行った。
ただ、なぜかマヤの家だけは行ったことがなかった。
詳しい場所も教えてはくれなかった。
「うち、両親が離婚して、ややこしいから」
「そうなんだ。大変だね…」
それ以上、深入りしてはいけないと思って、詮索もしなかった。
自分が同じ立場でズケズケと踏み込まれたら嫌だから。
とにかく2人でいるときは、楽しかったし、楽しませてあげたい、笑顔にしてあげたいとは思いながら。
気がついたら笑ってるのもいつものことだった。
なのでいつの間にか、そんな重い空気になることもなく、時間を忘れて笑い転げた。
楽しかった想い出だけを残して卒業した。
そして私は大学に進学したのち就職で都心に出ることになり、マヤはそのまま隣の県で就職し。
覚えることで精一杯。仕事が終わって食事を済ませ、気がつくと遅かったりいい時間だったり。
日々の忙しさでお互いに連絡し合うことも少なくなっていた。
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