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自販機の場所まで着くと、可愛らしい先客の姿が目についた。
白いワンピースを着た五歳ぐらいの女の子が、自販機の上のボタンを押そうとジャンプしていたのだ。
届かないのか、何度も何度もジャンプしていた。
女の子が背負っている、大きいリュックが重そうだった。
「どれが飲みたいの?」
声をかけると、女の子は驚いたような顔でオレを見上げた。
「あ……ペットボトルのサイダーをおねがいします」
女の子は恥ずかしそうにサイダーを指差した。
ボタンを押し、出てきたサイダーを渡してやると、女の子は小さい声で、ありがとうございます、と言った。
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