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「美奈、お前本気でこいつの言った条件を呑むのか!? 負けたらこの変な厨二病魔王の奴隷なんだぞ!?」
「いや、俺はマネージャーになってくれと言っただけで奴隷とは一言も……」
美奈がこんな奴に負けるとは思ってはいない。しかし万が一負けた場合を考えたら、この条件を呑むのは俺としては耐え難い。
「柊、これは私にとって遊びじゃないの。こんなところで負けているようじゃ夢なんてとても叶えられない。勝つしかないのよ!」
「美奈……お前……」
何を迷っているんだ俺! 美奈のいう通り、ここは勝つしか道はない。
「いいんだな?もう後戻りは出来ないんだぜ?」
「最初から覚悟の上、望むところよ!」
「よっしゃ! じゃあいっちょやるか、美奈!」
「ええ! さあ始めましょう、私達の聖戦<ジハード>を!」
俺と美奈はがっちり手を組み合い魔王に対し向き直る。そして美奈は流れるような紫色の髪に簪を差し、魔王を指差し言い放つ。
「儚く散りゆく桜の如く、我の剣技をもって貴様の命、ここに散らそう!」
美奈が凛とした佇まいで紫桜(しおう)の決め台詞をカッコ良く決める。そうして俺と美奈は魔王に対して聖戦を挑むのであった。
「こいつらまるで人の話を聞いちゃいねぇ……ていうかこいつらのほうが厨二病だよなぁ!? それに俺魔王じゃねえし!」
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