■第2話 幼馴染との関係

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「いくら幼馴染といっても、私は女で柊は男。ちょっとは怖くなったりもするわ」  言われてみれば当然だ。女の子からして見た場合、堂々と目の前でエロ本持ってる男子を見れば、自分の貞操の危機、いや人によっては身の危険まで感じる人もいるだろう。 「私だって柊を信じてないわけじゃないわ。でも店長といやらしそうな話をしているのを聞くと、どうしても不安な気持ちになってしまうの」  悲しそうな顔で話す美奈。自分が調子に乗ってしまったせいでこのような顔をさせてしまっていることに、ひどく心が痛んだ。  ただ赤の他人と思われているのであれば、きっとこのようなことは言ってもらえないと思うし、ただ軽蔑されて終わりだと思う。悲しそうな顔をするのも、まだ俺のことをまともな幼馴染として見てくれているからだと信じたい。 「今日はいやなところ見せちまったな。本当にすまない。完全に俺のデリカシーが足りなかったと思う」 「…………」  美奈は何も言わない。それでも俺は言葉を続ける。 「信じてもらえるかは分からないが、少なくとも美奈をいやらしい目でみようとは思っていない。美奈は大事な幼馴染で親友だし、いなくなられたらその……寂しいと思う」 「……うん」     
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