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いい加減辞めたら? と、紀三の顔には書いてあるが、昌美は首を振る。
「ここ、いいBL作家さんとか集まるし、いいんだもん」
「だからって、批判されるたびに騒がれたんじゃねぇ……」
嘆息しながら紀三はルームメイトを見下ろした。
京都の同時社大学の四回生である二人が、ルームシェアを初めて早二年以上が経っていた。互いに、理解もあり衝突も当然のごとく……いや嵐のごとくあったが、見ての通り互いに関係は良好だった。
「私、ここ出て行く気ないからね。かといって、一人で家賃払えないけどさ」
「うぅぅ……」
まだまだ気持ちが負けている昌美は言い返せずに、体勢をさらにスライムのように軟体化……ベッドと同化するかのように突っ伏していった。
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