ガラが悪いと思いきゃ

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「えっ、シャトルバスそんな並んでんの! ほんまに終電危ないんちゃう」 ホームで電車待ちの列に並んでいると、電話を受けた絢が素っ頓狂な声を上げた。 程なくして通話を切った彼女がわたしに向き直る。 「なんかアッコ達が来てたらしいんやけど、まだバス乗れへんねんてー! 教えてくれた“ヨーさん”? に感謝やねー」 「……ほんまやね。そんな並ぶんや」 絢の言葉を反芻しながら、依然気もそぞろなままに堺駅へと到着する。 彼氏と約束しているという彼女が降りて行った後、今朝喋った予定を思い起こし、イヤホンを耳に装着した。 彼らの“郷愁漂う切ない音”が、心地よく耳の奥に反響し始める。 今朝、刹那的な煌めいた時間を共に過ごした、彼の姿が再度脳内に描かれた。 『大体こんな顔やったかな……うん』などと心に浮かべながら。
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