第8章

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「一番でっかい奴だよ。ほら、この前家の中で暴れた」 呆れ果て諦めたように 煙草に火をつけ 「あっちの方も相当でかかったぜ」 「何?!」 悪い弟だ――。 由莉はテーブルに足を乗せにやにやしながら半狂乱の冬馬を煽る。 「ど、どうするつもりですか?」 「決まってるだろ!首をはねてやる!」 「なっ……!」 包丁を握りしめ 今にも襲いかからんばかりの形相で 廊下へ飛び出してゆく冬馬を 「そんなことしないで下さいっ……!」 僕は何とか引き止めた。 「そんなことより……これをどうにかして」
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