第五章 心の行き着く先(1)

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 和兎は何のためらいもなく両膝を突くと、頭を下げた。 「悪かった。許してくれ」 「おいおい、マジかよ」 「狂犬が、謝ってるぜ!」 「お前、本当にあのガキに惚れてるのかよ。そんなにあのガキのチンポは良いのか」  和兎は(あざけ)りを無視して言う。 「コレで良いのか」  和兎が顔を上げようとすると、「誰が顔を上げて良いって言ったんだよ!」と鋭い声が飛び、額を床に押しつけるように踏まれた。  額をしたたか打った。  つむじの辺りを踏みにじられる。 「頭がたけえんだよ、頭がッ!」  男たちの哄笑が響いた。  それからしばらくされるがままになっていると、 「よーし。もう良いだろう。顔上げろ。立て」  和兎が言われた通りにした瞬間、 「おらあ!」  男のだみ声と一緒に腹に衝撃を覚えるや、身体をくの字に折った。 「っ!」  その瞬間、呼吸が出来なくなった。  痛みよりも何よりも衝撃に打ちのめされる。  そうして両膝を突いた次には顔を蹴られ、床に身体を強く打ち付ける。
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