第五章 心の行き着く先(2)※ベッドシーンあり

10/14
前へ
/213ページ
次へ
「っ!」  尋の逞しいものに貫かれる刺激も、身体を埋める灼熱も、全てが鮮烈に和兎を包んだ。  しかしいつもと違う刺激が襲う。  尋が不意に左腕を和兎の腹に回してきたかと思うとそのまま、背面座位の格好になる。  和兎の身体はあっさりと抱えられる格好になってしまう。 「和兎のすっごく僕のを締め付けて気持ちいいよ」  舌でうなじから耳の縁をなぞるように舐められると、股間が戦慄く。  そこに尋の指が絡みつく。  ただでさえ後ろを責め抜かれている最中の刺激に、和兎は溜まらず「んん!」と声を裏返してしまう。 「ひ、尋、これっ……やばいっ……ちょっ……と、手加減、しろ……っ」  和兎は快美感に打ちのめされ、思わず弱音を吐く。 「和兎の身体はすっごく悦んでる。それに、和兎が僕なしじゃ生きられない身体にするだけだから大丈夫だよ」 「そ、それ、何も大丈夫じゃ、ん、ないだろぉっ……!」  必死に抗おうとするが、尋に突き上げられてしまえば頭が真っ白に染まった。  腰を打ち付けられるたび、声が出た。  無防備で、すっかり蕩けた嬌声(きょうせい)なのだ。  逸物からこぼれた体液が尋の手を汚してしまう。  それにひどい罪悪感を覚えた。 「尋、やめろ、そんなこと……お前の手が汚れるっ……ぁああ!」  尋は快感の為にかすかに震える声で反駁した。 「やめないよ。和兎の身体のどこも汚くなんてないんだから。和兎が感じてくれるんだったら僕はなんでもするよっ」 「バカ野郎」  尋の声が全身に染み渡るように、たちまち歓喜に全身が染まり、達してしまう。  戦慄く牡から雫を漏らし、脱力した。
/213ページ

最初のコメントを投稿しよう!

216人が本棚に入れています
本棚に追加