9話 バイト

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「はあ、……じゃあ、そのレポート、終わらせるか」 「え?」 「今のところ、ナンパされた、までクリアだろ?…酒飲みには行けないから、カラオケとかか?…遊びたいとこ、ある?」 「なんにも考えてなかった……」 「じゃ、とりあえず出よ?」 「うん」 陸と2人で繁華街歩いた。途中で私が人とぶつかったりして、手を握ってきた。 わ、嬉しいかも。 これ、デートっぽくない? って、バイト!バイト! 2人でカラオケに入った。 私、身分証明書の呈示求められて、『青少年保護育成条例』ってので夜の11時までだって。 カラオケ、私滅多に来ない。 恥ずかしながら歌ったら、自分でわかる『音痴』で、陸にめちゃくちゃ笑われた。 ムカつく。陸が入れた曲に採点モードつけてやった。 ちゃんと歌えないと画面が消えるらしい。 ………ムカつく。歌いきったし、上手い。 で、私も採点モードやられた。 1番さえ歌えない!! 「なんでー?そんなに音痴ー?」 「わはははは!ひーっ!ひーっ!腹痛い!腹痛い!笑える!」 ムカついて童謡にしたけど1番まで! これ、わざとじゃないの?! 「紗季、腹痛い!腹痛い!もうやめて!わはははは!!」 「最後まで歌えない!サビまでいかない!機械がおかしい!」 「がはははは!!」 あっという間に11時になってカラオケ出された。 「やだー!次の時はもう絶対に歌いきるー!」 「もう、めちゃくちゃ面白かった!!腹筋鍛えた!!また来ような」 「次は違う店にするー!!」 「わはははは!!ひーっ!ひーっ!」 陸、めちゃくちゃ笑ってムカつく。 カラオケ、嫌い。2度と歌わないから!! 2人して繁華街歩いて、駅の裏道に入った。 「陸、次はどこ行くの?」 「まあ、時間だし、王道コース」 やたらに看板が眩しい道になった。
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