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というにゃんこさんの紹介に頷いたマスターはザ・バーテンという感じの人だった。
キリッとした年齢不詳のイケメン。
黒色のベストがとってもお似合い。
でも、ガタイが良いので、ちょっと怖そう。
「よろしくお願いします」
少し緊張しながら挨拶すると、「こちらこそ宜しくね」とニコッと笑ってくれた。
あ、笑うと優しそう。
それで、調子に乗って、ついつい余計な事を訊いてしまう。
「左耳のピアス、カッコイイですね。その黒い石、オニキスですか?」
「そうなんです。
で、実はコレね、にゃんこさんからのプレゼントなんです」
「男性同士でアクセサリーのプレゼント!?」
するとにゃんこさんが慌てた。
「違う違う!
アクセサリーじゃなくて、ルース!!
マスターが最近ツイてないとか言うから、ウチで扱ってるパワーストーンを気休めに幾つか選んであげたんだよ。
って、ちょっとマスター、変な風に言わないでよ。
水菜ちゃんに誤解されるじゃん!!」
「ああ、そうですね。少し端折ってしまいました。
頂いたルースを加工して、ピアスにしたんです」
何だ、そういう事か。
安心したその後は、鏡みたいにツヤツヤ光るピアノブラックのカウンターに座った。
カウンターだけのこじんまりとした店内。
でもその分、親密な空気が流れていて凄く居心地が良い。
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