引っ越しました☆

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というにゃんこさんの紹介に頷いたマスターはザ・バーテンという感じの人だった。 キリッとした年齢不詳のイケメン。 黒色のベストがとってもお似合い。 でも、ガタイが良いので、ちょっと怖そう。 「よろしくお願いします」 少し緊張しながら挨拶すると、「こちらこそ宜しくね」とニコッと笑ってくれた。 あ、笑うと優しそう。 それで、調子に乗って、ついつい余計な事を訊いてしまう。 「左耳のピアス、カッコイイですね。その黒い石、オニキスですか?」 「そうなんです。 で、実はコレね、にゃんこさんからのプレゼントなんです」 「男性同士でアクセサリーのプレゼント!?」 するとにゃんこさんが慌てた。 「違う違う! アクセサリーじゃなくて、ルース!! マスターが最近ツイてないとか言うから、ウチで扱ってるパワーストーンを気休めに幾つか選んであげたんだよ。 って、ちょっとマスター、変な風に言わないでよ。 水菜ちゃんに誤解されるじゃん!!」 「ああ、そうですね。少し端折ってしまいました。 頂いたルースを加工して、ピアスにしたんです」 何だ、そういう事か。 安心したその後は、鏡みたいにツヤツヤ光るピアノブラックのカウンターに座った。 カウンターだけのこじんまりとした店内。 でもその分、親密な空気が流れていて凄く居心地が良い。     
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