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51歳私大教授(独身貴族)の持ち家なら、この豪華さにも納得してしまう。
人生イージーモードのボンボンなのかと思っていたけど、そういう訳でもないらしい。
そんな事を思っていたら、
「で、自分は? なんで俺の誘いに乗ったん?」
とすっごいマジメな顔で訊かれた。
「素数さんのお誘いがすっごく魅力的だったからですけど。
衣食住が保証されてて、研究者の道が開けるなんて、こんなチャンス、二度と無いと思いましたし」
何気なしにそう答えると、素数は若干がっかりした風に「ま、そうやわなぁ……」と呟いている。
「ん?」
「……いや、ええねん。ポテチ開けるで」
そう言って、小さく首を振った後、袋を開けてパリパリと食べ始めた。
……何か気に触る事、言った?
反応に困って黙っていたら、フツーに話し掛けてきたので、そのまま適当な話を続けた。
頃合いを見計らって、タクシー代を払うと言うと、
「俺が勝手に呼んだだけやし、要らん。その分、明日からしっかり働いてくれたらそれでええ」
そして、またしても微妙な空気。
何故?
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