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2階に着き、階段隣の「佐藤研究室」と書かれたドアのセキュリティチェックにカードをかざした後、「どうぞ」と中に入るよう勧めてくれた。
「なんか、研究室って感じですね」
「まんま、そうやしな」
ドアの先はパーテーションで囲われていて、中が直接見えないようになっている。
パーテーションの周りには傘立てとか外履き用の下駄箱とかスリッパが置いてあり、何となく玄関っぽい。
研究室内は土禁だそうで、今日は来客用のスリッパを貸してもらった。
帰りに早速買いに行こう。
「おじゃまします」
そう言って入ると、パーテーションの向こう側は8畳くらいの部屋になっている。
中にはPCに向かって忙しそうにしている男性が1人。
多分、中田さんだろう。
中田さん(予想)の机に加え、あと2つ机がある。
1つは右奥の窓際の物。多分、素数の。
他の物より一回り大きくて、椅子に肘掛けが付いている。
もう1つは、その隣の空き机。
素数はそれを指差した。
「水沢さんはこの机使って」
机の上にはノートPCの箱が置いてある。
「それな、水沢さんのマシン。
今日はそれのセットアップして。
wifi使える所ならどこでもサーバにリモートで繋げるし、家に持って帰ってもええよ」
そう言われて、ほくそ笑む。
ふふふ、新しいマシン!
しかも家でも使える!!
嬉しくてニヤニヤしていると、
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