金魚浴衣の妹さん

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 しかし仕事をしなくても腹は減るもんだ。俺はTシャツと短パンに着替え財布と家の鍵だけ持って、いつものコンビニに昼飯を買いに行った。  そのコンビニはだいぶ昔からある個人経営店だ。『デイリースギヤマ』なんて他に聞いたこともねえし、ネットにも載ってない。鬱蒼とした森の入り口にあって、陰気くさい。経営しているのが近所に住んでいる年を食った爺さん一人だから、店も活気がなくて、客もちらほらしか見かけない。  近くには整備された大通りがあってチェーン店のコンビニをいくつか見かけるものだから、こんなところには誰も足を運ばなくなっているのだろう。  ……だいたい、客が来ないのによく潰れないな。  そうか、あの爺さん、老後の趣味でやっているんだなきっと。普通なら面倒くさいだろうに、よっぽど物好きなんだな。まぁ、それでも俺は徒歩三分で着くというメリットを最大活用しているが。  他のコンビニは、歩きで十分、走っても五分かかる。往復が面倒だ。
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