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夜中にふと目が覚めた。
目が冴えて眠れそうにないので、外を歩くことにした。
月明りで明るい夜だった。
商店街はシャッターが下ろされ、人通りはない。
遠くの方に煌々とした灯りが見えた。
この商店街に唯一あるコンビニだった。
何かに引き付けられるようにフラフラと歩いて行った。
自動ドアの前に立つと滑るようにドアが開き、中に迎え入れてくれた。
「いらっしゃいませ」
真夜中の静寂を破らない程度の大きさの声だった。
振り返ると爽やかな笑顔の青年が立っていた。
店内をぐるりと見回して、ドリンクコーナーに向かった。
温かな缶コーヒーをレジに持って行った。
「ありがとうございました」
こちらを見つめる青年の眼差しは温かいものだった。
店内を出て、コーヒーをごくりと飲んだ。
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