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住宅街の中に在る、こじんまりとしたお洒落で雰囲気の良いBerの店主が、看板をセッティングし、ドアに掛けられたプレートはCLOSEからOPENの文字に引っくり返される。
店主が店内へ入ろうとドアノブに手を掛けた時、ふと振り返って空を見上げた。
「うわぁ、土砂降りだ・・」
彼の名前は、志麻 茜。二十歳の時に店を開き、現在二十一歳。
如何にもBerの店主らしい白のワイシャツに黒のベスト、パンツ。茜の細くスッとした腰には、黒のエプロンが巻かれていて、ネクタイで締められた首元には幅のある分厚い首輪がされている。
淡いピンク色が景色を彩る季節。
今日も温かな陽気のまま、夜の空気へと移り行くのだと思っていたのだが、春先だというのに平日に生憎の雨で、今日の客入りが気になる茜は、軽くため息を吐いて店内へ入っていった。
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