第参章

4/10
前へ
/210ページ
次へ
「お前傘持ってる?」 『え、もってません』 「ふーん、じゃあ降ってくる前に早く作家先生の家いかねぇとな」 『え?・・・あ、本当だ雲ってますね。今朝の天気予報では雨なんて言ってなかったのに』 「だな」 『今にも降ってきそうですね』 「そうだな」 今やっと我に返ったように言葉を紡ぐ真波 つーか、天気にも今気付いたみてーたし大丈夫かこいつ 「つかお前今ぼーっとしてたろ」 『ぇ、いやしてませんよ』 「お前歩きながら寝てンだろ」 『∑な、寝てませんよ』 どうやらいつもの真波に戻ったようだ、俺がいつもの調子でからかうとムキになって反応を返してきた 『大体、寝て歩くなんてできるわけないでしょ!』 「あ?冗談に決まってんだろ馬鹿」 『∑ガーン、馬鹿って・・・酷っ;』 こいつのすぐムキになって返してくるところ、正直可愛いと思う 容姿も俺の好みだし、仕事とはいえこいつみたいのと仕事できてついてると思った けど立場上俺とこいつは上司と部下だ だからなるべく感情は表にたさないように気をつけている けどクソ可愛いンだよなこいつ、なんだ今の顔・・・ヤバイ抱きしめたくなった けどダメだ 俺のこいつへの感情が好意だとしても俺とこいつは付き合ってるわけじゃないんだから
/210ページ

最初のコメントを投稿しよう!

172人が本棚に入れています
本棚に追加