第肆章

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『気にしないで下さい、私も今のは忘れます』 小さく笑って答えると芦坊副編集長は眉がピクリと動いた 『どうせ今のは悪ふざけかなんかだったんでしょ?真に受けたりしないんで安心して下さい』 「ちげーよ」 『違いません』 「あ?」 『違いません、今のは芦坊副編集長の悪ふざけだったんですよ。まったく勘弁して下さいよ』 「勝手に決めつけンなよ」 『決めつけじゃなくて事実です。今のは悪ふざけだったんです』 私は悪ふざけだったのだといい放つとゆっくり立ち上がり芦坊副編集長を見つめた 悪ふざけじゃないと困る まだ残ってる、私の腰を抱き寄せた芦坊副編集長の腕の力 芦坊副編集長の体温・・・ 悪ふざけじゃないと困る 忘れられたくなってしまう 「だから悪ふざけでも冗談でもねーよ勝手に決めつけんな、俺は」 やめて下さいそれ以上は・・・ それ以上は言わないで下さい 「俺はお前が好きだ」
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