第肆章

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『別に』 「え、エリカ様?それエリカ様だよね真波さん」 完成原稿を確認すると、私と芦坊副編集長は亜宋先生の家を後にしていき原稿を届けに印刷物所へ向かった 「・・・」 『・・・』 きっ・・・気まずい; 原稿をもって街中を歩く芦坊副編集長 その後ろを歩く私 二人とも無言で・・・気まず過ぎる しかもなんか雨降ってきそうだし 「灰音?」 『え"』 名前を呼ばれて振り返ると、そこには神山雪兎がいた 「やっぱり灰音だ」 「奇遇だね雪兎君」 愛想笑いを浮かべて対応すると雪兎君は嬉しそうに笑って歩みよってくる 『けどさ呼び捨てはいただけないな雪兎君、私は一応大人で年上なんだから』 「そうか・・・ごめんなさい灰音さん」 素直に飲み込んで呼び方を訂正した雪兎に自然と笑顔が溢れる 可愛いなこの年頃の男子は あ、ヤバイこの思考は変態っぽいよね 「今はお仕事中?」 私より数センチ身長が低い雪兎君が小首を傾げながら問いかけてくると思わずグッときた これが萌えと言うやつか・・・いやいや!だから変態か私は! 『うん、そうだよ。雪兎君は今日学校は?』
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