第3話 マヨネーズとパンの欠けら

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第3話 マヨネーズとパンの欠けら

待ちに待った木曜日になったが、私のシフトは午後からになっていた。 図書館は基本的に開館から夕方17時半まで、13時から閉館までの2つのシフトでまわしている。 アルバイトやパートの人は夕方までしか働けないため、正社員はおのずと午後シフトが増える。 しかも私のようなおひとり様は、家庭がある正社員より優先的に午後シフトに入れられてしまうのだ。 別に早く帰っても特にすることもないから午後シフトでも構わないのだが、開館時に和倉さんを見ることが出来ず私は少しがっかりした気持ちになった。 余裕を持って支度ができたから、この日は図書館の上にあるカフェでお昼を食べることにした。 うちの図書館は市民ホールと一体になっているため、3階から上にカフェや小さなコンサートホールがある。 値段の割に美味しいランチが食べられるし、天気の悪い日や今日みたいに寒い日は外に出ずに食事ができて、図書館スタッフで利用している人も多い。 えっと、今日のおすすめランチは……クラムチャウダーと季節のお野菜たっぷりサーモンサンドか 美味しそうなイラストの描かれた表の看板につられ、私はカフェに入りおすすめランチを注文した。     
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