第5話 ホームレスの神様②

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更衣室に一度戻り、自分のロッカーからお弁当を出してスタッフルームに行くと、滝川さんと君島さん、新人の牧野くんとパートの木下さんがいた。 適当な場所に座ってお弁当を広げると、木下さんがおもむろに口を開いた。 「……来ましたね。ミーティングで言ってた人」 「あ、ホームレスの人?」 午後シフトの確認をしている君島さんが答えた。 「そうです。私、びっくりしちゃいました」 「僕も、びっくりしました。かなり、衝撃的ですね」 牧野くんは顔をしかめながらカップヌードルをすすっている。 「今日も来たんだ? 俺気がつかなかったわ。三村ちゃん気づいた?」 「あ、はい。レファレンスのゲート前を歩いて行くの見ました」 俺気がつかなかったー。と言いながら滝川さんはお弁当の中からいんげんの胡麻和えを口に運んだ。 小枝ちゃんの手作りかな?と思ったが、牧野くんと木下さんがいる前で聞くのは悪いと思い、私はお弁当から自分で作っただし巻き卵を食べた。 「まぁ、今日は一段と冷えるからねぇ。ホームレスもこの寒空の中外でずっといるのは、辛いわよね……」 君島さんが腕を組みながら右手を頬にあてて苦笑いをした。 「……でも、お食事中になんですが、ニオイますよね?」 木下さんが思い出したように険しい顔をして呟いた。 「まぁ、くせーよな。でもあのホームレス、静かに本読んでるし害はないんだよなぁ」     
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