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滝川さんの言ったことに、私と君島さんは神妙な顔をして頷いた。
「え、でも異臭放ってる時点で害じゃないんですか?僕は普通に追い出して良いと思うんですけど」
牧野くんがスープを飲み干して、カップをビニール袋で縛りながら言った。
牧野くんの言葉に木下さんが、ですよねぇ。と言って賛同している。
臭いというだけで害、というのは一理ある。
でも臭いというだけで追い出す権利が図書館スタッフにあるのかということが、私にはわからなかった。
「ま、館長は追い出すことに乗り気じゃないみたいだからさ。クレームがひどい時だけ対応すれば良いんじゃないの?」
滝川さんがそう言うと、牧野くんがそうですかねー? と少し不満顔で言いながらビニール袋をゴミ箱に投げた。
時計を見ると40分を過ぎていた。
私は食べ終わったお弁当をまた包み直すとロッカーにしまい、女子トイレで歯を磨いた後午後の業務に戻った。
今月の私の担当書架は500番代と600番代。
毎月正社員には、担当の書架が振り分けられる。
900番代など所蔵の多い番号の書架整理は担当が二人か三人振り分けられることがあるが、逆に所蔵が少なく利用者もあまりいない番号は一人で二箇所任されることもある。
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