第6話 オレンジ色の誕生日①

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第6話 オレンジ色の誕生日①

十二月に入ると、駅前にはイルミネーションや可愛らしいサンタやトナカイのオブジェ、ツリーなどが置かれクリスマスカラー一色になった。 うちの図書館も毎年11月の最後の日、館内整理日に大きなモミの木を館長が知り合いの人から譲ってもらい、入り口に置いている。 図書館は月曜日以外に館内整理日といって、だいたい月末のどこかの週で一日お休みの日がある。 月末最後の日がうちの図書館の館内整理日で、その日に展示の入れ替えや書架のチェックなどを通り行ったり、寄贈本ーー利用者の方から時々いただく本のことだ。新刊や人気のある本であれば図書館に所蔵されるが、あまり利用されないような古書やマイナー本の場合は、月初めにリサイクル図書として無料で持ち帰れるコーナーに置いたりするーーの選別などをする。 「もう来月は今年最後の月かぁ。毎年言っているような気がするけれど、一年ってあっという間ねぇ……」 モミの木にクリスマスオーナメントをつけていた君島さんが感慨深げにため息をついた。 「そうだねぇ。今年の忘年会、どこだろうね?館長、もう決めたんですか?」     
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