第9話 オレンジ色の誕生日④
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和倉さんは優しく微笑むと、オレンジの光が溢れる街に中に消えて行った。 駅前の時計塔が夜九時を知らせる。 シンデレラのように、魔法が解けたようだった。手元にガラスの靴はないけれど、バッグから無くなった小説と少し膨れたお腹が、今日のことは夢ではなかったと私に知らせていた。
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