決別

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決別

眩い照明の下、酸素を求める金魚のようにパクパクと動く唇。 自由を奪われた手足は、人形のようにだらんと垂れ下がる。 朦朧とした意識の中で、私は一人の男性を思い描いていた。 私が欲した、たった一人の男性。 ーーービシッ 容赦なく降りかかる鞭の音に、観客達が息を飲む。 瞬時に襲う焼け付くような痛みと、それが引いた後の甘い痺れを感じながら、私は恍惚に身を任せた。 もっと、私を見て。 もっと、私を虐めて。 貴方の身体も、心も、全て私のもの。 もっと、もっと…… 私だけを、愛して………… image=510144806.jpg
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