2/2
前へ
/9ページ
次へ
(いったいどういうことなんだ?)  事情のわからない少年が困惑していると、丸メガネの男が意気揚々と戻ってくる。 「よしいいぞ! どんどんネタが降ってくる、俺は天才だっ、俺に怖いものはないっ! 待ってろ締め切りめ、ぬわーはっはっは!!」  わき上がる衝動を堪えきれず、両手をまっすぐに突き上げ大股開きで店を出ていった。 「あ、ありがとうございました……」  おきまりの挨拶を口にし、少年は呆然と見送った。そこへ店長がゆったりとした足取りで近づいてくる。 「あ、店長。いったいなんだったんですか?」 「まだ説明していなかったね。いまのようなお客様は私のほうで相手をするから、キミは取り次いでくれさえすればいい」 「でも、あの……」 「わかったね?」 「は、はい、わかりました」  説明を求めるも店長の押しに負け、少年は渋々承知するよりしかたなかった。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加