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「うーん、多分ゲイではない。ただ、女の子も好きだけど、かわいい男の子も大好きなのは間違いない」
「えーーっと、せっかくのスカウトですが今すぐ辞退します!降ります降りますっ!!」
俺はじたばたとベンツからの脱出を図った。
「まあまあ、落ち着いて。僕の条件を全部聞いてからでも遅くはないよ?キミが辞退しても僕は少しも困らない。希望者はいくらでもいるだろうからね」
彼は平然とした笑顔で言う。
「……だって、愛人って、ベッドの相手してお金もらう……ってアレですよね??」
俺は助手席のドアから飛び出る身構えで、恐る恐る尋ねる。
「んー、一般的にはね。でも、僕が探してるのは、ちょっと違うな。
僕が求めてるのは、敢えて言えば『観賞用』って感じ。ハウスキーピングを普通にやれるかわいいコを側で眺めたい、っていうのかな」
……やっぱ意味わかんねー。
とにかく半端じゃない変人のようだ、この人。
「……っていうか、そもそも俺のどこが観賞用なんです?視覚異常でもあるんじゃないですか?」
「隠したってわかる。ーーちょっと失礼」
そう言うと、彼は俺の顔に手を伸ばすと、メガネを静かに外し、俺のボサボサ髪を手際よく整えた。
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