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「ほら。予想通りだ。……キミ、敢えてカモフラージュしてるの?色白いし、顔立ちもはっきりしてるし、涼しい黒眼がちで……こんな可愛い子、そうそういない」
「知りませんよそんなこと。自分の顔がかわいいとか全然興味ないし!」
「それに、顔だけじゃない。キミの仕事ぶりや客への対応は、他のスタッフとは一線を画すものがあった。だてに応募者の最終面接に立ち会ってないからね。
キミなら、きっと居心地のいい場所を作ってくれそうだと思った。
僕としては、ぜひキミを採用したい。で、契約の条件なんだけど……月収は、これでどう?」
彼がスマホで表示してみせた金額はーー俺の年頃の一般的サラリーマンの恐らく倍はある。
「……こんなに?」
「そう。ただ、条件がある」
「条件?」
「簡単だ。まず、常に僕好みの服装や身なりでいてほしいこと。髪のスタイリングも、僕指定の美容室の専属スタイリストに限る。キミの部屋は僕が借りる。部屋の内装や食器類も服も、すぐに暮らせるよう全て揃えておくから、キミは必要最小限の私物だけ持ってくればいい」
「あのーー
身体の関係は……業務に含まれないんですか……?
俺、男には惚れないし、夜の相手とか不可能ですから」
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