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……そんなとき、キミを見つけた。笑顔がかわいくて、必要な場面ではしっかりと頼りがいがある。『この子がいい!』ってビビッときたんだ」
「GSをペットショップかなんかと勘違いしてません?」
「人聞きの悪いこと言わないでほしいな。ーーでも、キミの考えていることと、ちょっと似てるだろ?」
彼はそう言うと、子どものように微笑んだ。
この契約そのものは、確かに相当怪しげだ。
でも……俺も、彼の気持ちがよくわかる。
どこか俺と通じるものが、この男にはある気がする。
「ーー分かりました。……この契約、お引き受けします。
ただ、自分で言うのもあれですけど、俺、相当な変わりモンですよ。それだけはご承知置きください」
「そうか!それは嬉しいな。
キミが変わり者なことくらい分かる。この話を引き受けた段階で充分にね。ーー僕も変人だし、丁度いい」
あー、このひとも自分のヘンジンっぷり自覚してるのね。
「あ、それから、表向きは、キミは僕の大学の後輩で、リストラされて衣食住に困って僕を頼って来たヘタレくん、ということにするのはどうかと思うんだけどね」
気持ちいいほどの酷い言いっぷりで眩しい笑みをこぼす。
「ーーーーいいんじゃないですか」
まあ、こんな変わった男の話に乗った俺も大概だから、もうなんでもいい気がしてきた。
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