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俺の行動について「よくわかる」という評価を、初めて聞いたからだ。
「ーーところで、君は掃除や洗濯、普通にできる?」
「……まあ、一人暮らししてますし普通にやりますけど」
「料理は?」
「無難に作りますよ。どっちかといえば好きかな」
「彼女は?」
「俺がフリーターやることにしたと同時に別れを切り出され……って……コレ何の質問ですか!?」
ますますわけが解らない。混乱したまま、そう問い返した。
「最後にひとつだけーーキミ、男にも恋しちゃうタイプ?」
「いい加減にしてください!生まれてこのかた一度もないですよ!!」
「うん、合格。完璧だ。
いろいろヘンなこと聞いて悪かったね。じゃ僕の用件を話そう」
彼は居住まいを正してまっすぐ俺を見た。
「三崎君。ーー僕の愛人になってくれませんか?
あのGSで働くキミを見て、一目惚れしました」
彼は堂々とそう言ってのけると、いきなり無邪気さを全開にした笑顔で美しく微笑んだ。
…………はい……?
今までのクールで冷たく人を寄せ付けない雲の上のあの空気……は一体どこいったんだ??
……やばいぞ。
コイツ、こんなにキレイな顔をして……さては変人か!!?
「……あのぉ……大変聞きづらいんですが……あなた、もしかして、ゲイな方ですか……?」
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