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歳はどうであろうか、十代後半くらいであろうか。カメラの奥から見える眼差しは、実に生意気そうである。お前はいったいなんでそんなに自信に満ち溢れた目をしているんだ。ああ、思い出した。そうだ。僕は映画監督になりたいのではなく、きっと映画の主人公になりたかったのである。
この頃の僕は仲間を集め、選ばれし者だと頑なに信じ、自分自身が主人公なのだと思っていた。その頃は今のモノクロと違い、世界が七色にキラキラして見えた。モニター越しの世界は、次々と色を取り戻していく。
僕はお酒の次に映画が好きで、音楽が大嫌いである。
一つ色を取り戻すたび、蘇る記憶がギシリと胸を締め付ける。あの日、僕は禁じられたロックンロールってやつに魅せられ、ペンでも剣でもなく、水色のストラトキャスターを引っ提げ、騎士となり歌姫に忠誠を誓ったのが間違いの始まりであった。
【平成☆シックスティナイン】
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