黒髪の神官長

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 腕を掴まれ、引き寄せられたジャムシードは、何かもかもさらした白い肌へ、促されるまま引き寄せられる。非力な腕にはいくらでも逆らえるはずだった。  アディスに直接触れた瞬間、眩暈がして、自分の身体が浮いているように感じる。自分の身体が海の中に沈み、漂っているような錯覚が起きる。船が揺れているせいだと思いたかったが、心地よい感覚は明らかに違うものだった。  あのときと逆だとジャムシードは思う。あの日、自分は溺れていたアディスを海中から引き上げた。今は逆だ。海底に沈んでいくのは自分で、アディスの手に捕まれば明るい光のさす陸へ上がれる気がする。  気づけば、短い黒髪の頭を掻き抱いていた。  おぼれかけた人間のように、ジャムシードはアディスの唇から息をもらう。与えられた酸素を全て吸い込み、もう落ちたくないと、必死に細い身体にしがみついた。  獣じみた呻き声を上げ、ジャムシードはアディスの濡れた屹立をすすり、小さく立ちあがった乳首に歯を立てる。足を上げさせ、ぬめった尻の奥を開かせる。ジャムシードは唇を舐め、男たちの体液をあふれさせるそこへ、己を打ち込む。     
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