贅肉の繭に包まれて。

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 彼はとても良い人だ。当たり前であるが、わたしを通し彼と知り合った人にも、彼の良さは徐々に伝わり、直ぐこのコミュニティで一目置かれるようになっていった。  仲間たちは、次々と彼の良さに気付いていく。ずっと昔から気付いていたわたしは、なんだかそれが悔しかった。  彼のことが好きだった。ずっと側にいて、いつも支えてくれた彼のことが大好きだった。無償でわたしの側にいてくれた彼との、プラトニックな関係は、いつしかわたしの支えとなっていた。それは恋愛とは違って、家族の絆とも違って、さらに言えば友情ですらもなかった。
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