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「あ、そうだ。訊いて訊いて。明日彼氏が凄く高級なレストランに連れて行ってくれるんだぁ。いいでしょ」
とりとめの無い会話。けれどもそこに違和感。電話の向こう僅かばかりの沈黙。
「そっか。いいじゃん。羨ましいな」
「ねぇ、わたしの話気に入らない? つまらない?」
「俺は苦学生だから、そんな所行けないんで、羨ましいだけだよ」
千明は何でも無いように明るい声色で鼻を鳴らす。腑に落ちないわたしは、どうも常にお腹を減ら過ぎて、神経が過敏になっているのかもしれない。不機嫌な声になりながらも、千明というダイアリーに今日も一日を刻む。
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